我が家はコの字型の平屋建てで、西側の屋根に太陽光パネルを設置予定です。図面の最終確認の段階まで南側以外に建物が建っていない状態でした。
ですので、太陽光発電について検討する際は、南側のみを気にしていたのですが、その後西側に二階建の家が建ち、お隣のお宅が落とす影により発電効率が落ちるのでは無いかと心配になりました。
そこで、隣のお宅の影が我が家の敷地にどのようにかかるか、予め調べておこうと考えました。
この記事では、お隣のお宅や我が家が周囲にどのような影を落とすか予め確認したい!という方に向け、その確かめ方について解説しています。
難しい内容になっていますが、気になる方は是非ご一読ください!
なお、この記事を書くに当たり、以下のページを参考にしました。
【日影図】建物がある時刻につくる影を図面にしたもの
午前中、お隣さんの建物の影はどれくらい我が家にかかるんだろう?
その疑問を解決するのが日影図になります。
日影図とは、建物がつくる影を時刻ごとに図面にしたもので、一日を通して影の動きを把握することができます。
エクセルで日影図を描いてみる
冒頭の問題が発生したときに、まず考えたのが自分で日影図を描いてみよう!ということでした。
自動で描いてくれるものもあるようですが、ここではネットに公開されている資料を元にエクセルで日影図を作図する方法を解説します。
作図に必要な3つの情報=太陽高度・方位角・影倍率
日影図を作成するに当たり、必要な情報が3つあります。それが太陽高度・方位角・影倍率です。
これらの情報のうち、太陽高度と方位角は以下のサイトで計算できますので、建物が所在する緯度・経度と任意の日付を入力しましょう。緯度と経度はGoogle mapで調べることが可能です。
図の下部に記載されている「35.681672」が緯度、「139.765108」が経度になります。
なお、今回は影の影響を調べるため、1年で最も影が長くなり影響範囲が広くなる冬至(12月22日)で計算します。
次に、エクセルを開き、時間ごとの太陽高度と方位角を転記していきます。この際、8時〜16時の間の30分ごとの値を転記していきます。
残る情報のうち、影倍率は先ほど求めた太陽高度から計算します。
影倍率 \(\displaystyle R=1/tan\theta\)
エクセルでは以下の通り入力します。
1/tan(太陽高度のセル*PI()/180)
影倍率とは、ある高さの物体の影の長さはいくらになるかを求める係数になります。
例えば、正午の影倍率が4.5の場合、高さ3mの物体の影の長さは、以下のとおり13.5mと計算されます。
先ほど求めた影倍率から、影の長さを計算します。
以上で準備完了です。次に作図をしていきます。
実際にエクセルで作図する
まず、図形の挿入から建物を作成します。この時、実際のサイズの1/100(1m=1cm)で作成すると計算しやすいかと思います。
次に図形の挿入から直線を選択し、垂直に線を引きます。Shiftを押しながらドラッグすると垂直に線を引けます。
8時時点の線の長さを影の長さで入力し、角度を方位角と合わせます。これを建物の頂点から三本引き、それぞれの端点を結ぶと影の範囲になります。
同じように、8時30分、9時・・・と作図し、最後に図の太線のように結ぶと、その日の大まかな影の動きが分かります。
まとめ
日影図は、ある時刻に建物がつくる影を図面にしたもので、一日の影の動きを把握することができます。
これにより、隣家の影もある程度把握することができるので、日照の計画や太陽光パネルの設置計画を行うことができます。
ただし、ある程度の誤差を含んでいますので、余裕をもった計画にする必要があります。また、有料のCADソフトなどでは日影図の作成ができるものもあるようなので、ハウスメーカーの担当者に作成を依頼することも有効です。
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